二杯目のワイン

60代主婦の日常のつぶやきです。

父にできること

少し前の記事でも書いたが、私の父は92歳で田舎で一人暮らしをしている。


母が生きていた頃から、まめに動き料理を作ることが好きだったので、父一人になっても、家事の心配をしないで済んだ。


私が惣菜等作って送ったことはないが、父手製を送ってもらったことはある。


母が亡くなってからも、電動ミシンを買い、パン焼き器を買い、ケーキが食べたいと思ったら、粉から買って作るくらいマメな父だ。


掃除だけは、週2回ヘルパーさんに来てもらい、母の晩年の頃より我が家は綺麗に保たれている。


流石に10年くらい前に、「もう使わないから、持っていけ。」と電動ミシンは貰った。


料理は、食べたいと思ったものは、なんでも作ろとする。


テレビで見たドレッシングが簡単で美味しそうと思えば作り。「マヨネーズとヨーグルトを混ぜるといいぞ、」と私にも教えてくれる。


魚の焼き方も父から教わった。


デイサービスで出された煮物が美味しかったからと家でも作ろうとする。


ただ最近は、食も細くなって来て、食べきれなくて冷蔵庫は満杯状態。




気がついたら、母が亡くなり一人になって、20年になる。


母が亡くなってすぐは、声にも元気が無く、「こりゃあ、続いちゃうかしらね〜。」と姉妹同士で話していた。(なんとも薄情な子供達^^;)


80歳までもらえる個人年金があったので「80までは生きていたい。」と80歳を目標にしていたが、目標クリア(笑)


東北の田舎に住んでいる父は、春夏秋は、庭いじりで楽しんでいる。


訪ねてくれる親戚、友達との会話を楽しんだり。


でも最近、一段と耳が遠くなり会話もままならないようだし、訪ねてくれる友人もどんどん減っているようだ。


冬は、絵を描いていたが、ここ数年は目が疲れるらしく描いていない。


一度、冬の間だけでもと、東京の独身の妹のマンションに住んだが、肺炎で入院し、東京3ヶ月の滞在で半分は病院に滞在となった。


それ以来、東京には来ない。


とにかく冬は、築50年以上の一軒家は寒い。


冬の東京滞在を諦めた後、冬の間(1月から3月)の3ヶ月間だけ、高齢者施設に入居するようにしていた。


正直、寒い時期だけの入居なんて、都合が良すぎるとも思ったが、ありがたいことに引き受けてもらえた。


だが、ここ1、2年厳しくなった。


施設側に空きがない状態。


入所できない。


92歳の一人暮らし老人ではあるが、要介護1(最近基準が変わって、引き下げられたらしい)


寒い中、風邪ならまだしも、脳梗塞とか起こさないかとヒヤヒヤしながら冬を乗り切った。


私は、年に2、3回様子を見に帰省している。


息子たちも独立し、時間の余裕もできたから、2ヶ月に1回くらいは通ってもいいつもりでいたが、「そんなに来る必要ない。」と断られた。


1回帰省するのに3万円以上はかかるので、正直なところ2ヶ月に1回はきついと思っていたが。


ただ、このコロナ禍で、昨年は1回だけだった。(地方の人は必要以上に首都圏からの人間を避けている。)


一度は、ケアマネさんが難色を示し、ギリギリ新幹線をキャンセルしたこともあった。


行くときは、デイサービスにお伺いをたてて、私が行った週のデイサービスはお休みするとか、ヘルパーさんお休みとか。。。


コロナ前は、お世話になっているご近所さんにも手土産など買っていったが、父に「誰にも見られないように来い。」とか言われ、隠れるように帰省した時もあったっけ。


私なんて、普段の生活だって、ほとんど誰とも会っていないのになぁ〜。


地方の人より、人とのコミュニケーション少ないと思うけど。。。





離れて住む父に、出来ることなど限られている。


週1回の生存確認の電話・・・決まった曜日の決まった時間に電話する。
耳がかなり遠くなって、会話する状態ではなく、「shukuか?元気にしてるから〜。」と父が話し、「うん、元気でね〜。」で終わり。


違う時間にかけると、「shukuです!」と大きな声で名乗っても聞き取れていない。「ん?誰だって?」と、そういうやりとりを5回以上は繰り返す。


オレオレ詐欺、電話セールスに引っかかることはないだろうと、そのことは安心している。


月2回くらいの手紙・・・電話では何も聞き取れないから、近況とかを手紙にする。
父からも、月に1回くらい返信が来る。


父と娘の文通だ。


近況と言っても、私も何も変化のない日常を送っているので、変わりばえしない。
絞り出して書いている。ドラマが好きな父が見ているドラマの感想を書いたり。。。


母が生きていた時は母とばかり話し、電話に父が出ると「お母さんに変わるから。」とすぐ母に変わり、父とは何を話していいのか分からなかった。


父の考えは「お父さんがこんなこと言ってたよ。」と母経由で伝えられた。


母が病で入院した時「あなた達(私と妹)、ちゃんとお父さんと話せるのかね〜。」と心配していたことを思い出した。


大丈夫!ちゃんとやってるよ。


便箋、封筒、切手と用意して、郵便ポストまで投函するのは面倒で、「メールにしたほうがいい?」と聞いたことがある。(父はPCのメールは出来る)


「いや、手紙の方がいい。お前の手紙は楽しみだ。」と言われたら、止めるわけにはいかない。


何もできない娘としては、手紙を書くことで喜んでもらえるなら、やるしかないと思っている。