両親のお金の使い方
自分たちの年金も少ないのに、親の生活費も心配しなきゃならない人の話をよく聞く。
施設に入るのもお金がかかるから、結局子どもが見なくては。。。とか。
実家の父の場合(残ってる親は、私の父親のみ)、全くお金の心配をせずに助かっている。
教員だったこともあり、年金は手厚くもらえている。
でも生活が楽になったのは、年金をもらうようになってからではないかと思う。
教員の給料は安いと、よく聞かされていた。
商売している親戚の家に行くと、「若い子はいっぱい食べるからね〜。」と私の為にお寿司2人前とってくれたり、出てくるデザートが豪華だったり。
うちとは違うんだというのは、小学生ながらも感じていた。
地方に住んでると、高校を卒業し上の学校に進むために、地元を離れる。
今は地元も交通の便もよくなり、大学も出来て、家を出なくても進学出来るようになったみだが、あの頃は違う。
つまり教育費の他に生活費もかかり、仕送りが必要になる。
うちの兄弟も年子に近い感じで3人いた。
親は大変だったと思う。
長女の私は、1年目6畳一間の二人部屋の寮に住んで、2年目は1年遅れて上京した年子の妹と1Kの6畳一間のアパートに住んだ。
高校の仲良しだった友達は、地元のスーパー経営の娘で、小田急線沿線のアパートに一人暮らしをしていたので、私は毎週のように泊まりに行った。
今思うと、彼女は彼氏もいたのに、迷惑だったと思う。
でも、私が行くのを全然断らなかった。
本当に優しい人だった。(2011の震災で亡くなった)
話が逸れたが、、、
親は「お金がない。」なんて言葉は聞かなかったが、大変だったんだろうと思う。
その時期、専業主婦だった母が働きに出た。
子供達の仕送りも終わり、苦しい時期が過ぎたら、父は58歳であっさりと早期退職をした。
早期退職をすると退職金上乗せされるからと言っていたが、もう働きたく無かったんだろうと思う。
退職後、いろんなところから再就職の話が来ていたが、みんな断っていた。
その後は、好きな絵を描いて個展を開いたり、山に登ったり、釣りをしたり、畑を借りて、家庭菜園をしたりと、自由に過ごしている。
現役時代、キチキチの生活の反動か、退職後のお金の使い方は優雅だった。
特に母はすごかった。
友達と旅行に行ったり、食事に行ったり、、、
旅行に行くと、バンバンお土産を買い、お土産と言っても、食べ物とかじゃなく、その土地の名産品のブローチとかペンダントとか、食器とか。。。
「○○さんは、凄いわね〜。」って同行した友達に言われ、いい気になってる(嫌味とは取らない性格^^;)
そんな時期、母の独身の姉(私にとって伯母)の遺産が入って、ますます羽振りが良くなって、家に高価そうなオーダー家具が置かれたり。。。
着物を買うのにはまって。。。
あの『なんとか苑』だったか着物屋さんの会員だったかになり、バンバン着物を買いまくっていた。
展示会みたいなものに毎度参加して、買ってくる。
父が見かねて、注意すると、、、
「展示会はお手伝いで行ってるのよ。ちゃんとアルバイト代もらってるんだから。」と言っていたそうだが、それこそカモにさせられていた訳だ。
アルバイトで行って「あらこれ、〇〇さんに良いわよ〜、お得よ〜。」って言葉に乗せられて。。。
見事に伯母の500万以上の遺産を使い果たし、最後は数十万だったが借金を残して逝った母だった。
その後、病で入院した病室で、「もしかして、私は騙されていたのかしら。」と父にポツリと言っていたらしい。
父は母が亡くなってからの数年間は、「結局あんなにつぎ込んだのに、線香もあげに来ない。母さんは『なんとか苑』に騙された。」とずっと言っていた。
「娘さんに買ってあげたら、喜ぶわよ〜。」とか言われて買った着物もいっぱいあるが、妹も私も、喜ばない。
「まだブランド物のバックの方が良かったよね〜売れるし〜。」と愚痴っている。
どう処分しようか、未だに悩まされている。
母が72歳という平均寿命より短い命だったのは、悲しくて切ない気持ちは、十分あるが、
思う存分、好きなものを買って、楽しんだ晩年を思うと、幸せだったかなとふと思う。
そして、母が亡くなって、家計を任された父は、株に目覚めた。
時期が良かったのか、どんどん増えていったらしい。
もともと年金だけでも生活出来ていたので、貯金は全部株に回した。
途中、リーマンショックとか色々あったりで、暴落したりもしたようだが、なんとか今も続いている。
私たち兄弟に、それぞれ株を遺産として残すと言っているが、今でも増やそうとして減らしている。
「もう、そのままそっとしておいて〜!」と言ってるが、遺産としてもらう時は、Oになっているかも知れないと覚悟はしている。
時々思う。
もし母じゃなく、父が先に亡くなっていたら、どうなっていたんだろう。
母は、全財産使い果たして、私たちの世話になっていたかも知れないなぁ〜と。
今となっては、想像するだけだけど。。。